要石計画 (Key Stone Project = KSP)の概要

要石計画は、 超長基線電波干渉計(VLBI)衛星レーザー測距(SLR)、 汎地球測位システム(GPS)の3つの宇宙測地技術を使って首都圏広域地殻変動を 観測しようという計画です。茨城県鹿嶋市の鹿島神宮にある地震避けの 「要石」 にちなんで名付けられました。

日本周辺には4つのプレート(太平洋プレート、北米プレート、 ユーラシアプレート、フィリピン海プレート)があって、それらのプレートの 複雑な運動が活発な地震活動の原因であると考えられています。なかでも、 関東地方は北米プレートの下にフィリピン海プレートが沈み込み、さらに その下に太平洋プレートが沈み込むという複雑でかつ活発な領域であり、 近い将来直下型の地震による多大な被害が心配されています。 日本の中枢機能が集中している東京を中心とした首都圏では、1923年の 関東大震災以来、大きな災害をともなう巨大地震は発生しておらず、比較的 静穏な状態が続いています。しかし、そのことは逆に首都圏直下の地殻構造に 大きな歪みが蓄積していることを物語っています。

通信総合研究所では、この首都圏の地殻の動きを精密に計測するため、宇宙測地技術 を利用した首都圏地殻変動観測計画(キーストーンプロジェクト)を1993年より 開始しました。この計画では、首都圏を取り囲むように配置された4つの観測局に、 超長基線電波干渉計(VLBI)と衛星レーザー測距(SLR)の両方の観測施設を 設置し、連日にわたる観測を実施します。観測結果は迅速に処理・解析され、 首都圏直下型地震の前兆現象による地殻変動が発生したときにそれをとらえる ことを究極の目標に置いています。また、4つの観測局の正確な位置の情報は、 国土地理院によって整備されているGPS(Global Positioning System)観測網 と結合されて全国規模の地殻変動の観測にも役立てられます。


更新日:1999年4月8日